Tokyo Tech Midorigaoka House

PhotoⓒMamoru Ishiguro

 

東京工業大学緑が丘ハウス

川島範久が東京工業大学(安田幸一研究室)でデザイン監修者として携わったプロジェクト。

東京工業大学大岡山キャンパスの西方の小高い丘にある緑が丘地区に新築で建てられた国際学生寮。南北に長いボリュームにおいて,西向き面の平面形状を,開口が設けられる壁面が南方向に振られたジグザグ形状とすることで,フラット形状と比べて,冬季の受熱日射量を増加させ(ダイレクトゲイン),夏季の受熱日射量を減少(日射遮蔽)させた。また,壁式鉄筋コンクリート造の躯体をEPS断熱ボードで包む外貼り断熱構法を採用し,開口部を断熱サッシ・Low-E複層ガラスとすることで,高い断熱性能(代表室でHEAT20 G1レベル相当)を実現した。以上の工夫により,快適な温熱環境と暖冷房負荷の低減(省エネルギー)を実現した。なお,この構法の採用により,外部環境の変化による躯体の膨張収縮は抑制され,躯体の耐久性は向上する。また,室内側の打ち放しコンクリートを現しとすることで,その熱容量により安定した温熱環境を実現すると同時に,学生によるハード・ユースにも耐えられるようにした。

 

PhotoⓒMamoru Ishiguro

PhotoⓒMamoru Ishiguro

PhotoⓒMamoru Ishiguro

 

PUBLICATION:
新建築2018年2月号

基本データ ————————————————————————————————————————

主要用途 寄宿舎(大学)
建築主 東京工業大学
設計──────────────────
建築 安田幸一研究室
担当/安田幸一 川島範久 西慶三 堀谷尚貴 田頭宏造 岩田翔太 平野陽 伊藤大生
アール・アイ・エー
担当/村山寛 佐伯美奈子 小田真也 平井香澄 椿谷春奈 権田和之(外構)
総括・監理 東京工業大学施設運営部
構造 竹内徹研究室 アール・アイ・エー
設備 アール・アイ・エー
施工──────────────────
建築 小松原工務店
電気 藤井電機
空調・設備 積水工業
規模──────────────────
敷地面積 74,270.42m2
建築面積 473.26m2
延床面積 1,574.18m2
工程──────────────────
設計期間 2015年4月~ 2016年6月
施工期間 2016年6月~ 2017年7月

外部仕上げ───────────────
屋根 コンクリート金ゴテ押え アスファルト外断熱防水 押えコンクリート
外壁 コンクリート打放しの上後貼外断熱(XPS3種b t=70mm)+ガラスメッシュ伏込+アクリル樹脂系接着強化塗材+アクリルシリコン樹脂仕上塗材吹き付け
開口部 アルミ枠断熱サッシ Low-E複層ガラス

外皮性能────────────────
外皮平均熱貫流率(UA値) 0.55 W/m2K(代表住戸)*基準値:0.87 W/m2K(6地域)冷房期の平均日射熱取得率(ηA値) 0.8%(代表住戸)*基準値:2.8%(6地域)
エネルギー性能─────────────
設計1次エネルギー消費量 2,723.0GJ/年(建物全体) 設計値/基準値=0.64 * 基準1次エネルギー消費量:4,273.7GJ/年(建物全体)