PhotoⒸShigeo Arikawa
世田谷に建つ築40年のRC造マンション一室のリフォーム。オーナーは30代女性で、将来は姉妹または夫婦で住むことも可能な計画が求められた。マンションの周りには戸建住宅群が広がり、バルコニーのある南側の眺望が開けており、古くからのお寺の森が広がっていた。そこで、この南側の景色に向かって、西側にはキッチン・ダイニング・リビングを連続的に配し、東側にはベッドスペースを設け、これら南側のすべてのスペースからこの景色を望めるような一室空間を計画した。
東西面はすべて造作収納棚とし、収納棚には場所によって形状の異なるボイドを設けた。この収納棚のボイドが前面空間における行為を緩やかに規定し、リズムを与えている。東西面の収納棚は隣接住戸壁の断熱・防音性能の向上に寄与する。また、外部から60㎝の範囲は床壁天井を内側から断熱補強をし、窓は断熱サッシに変更しており、住戸全体の断熱性能の向上を行い、快適な温熱環境と省エネルギーの実現をしている。
基本データ ————————————————————————————————————–
場所:東京都世田谷区
竣工:2007. 03
主要用途:個人住宅
延床面積:64.32 ㎡
規模:地下1階,地上7階
(地上5階の一室の改装)
構造:RC造
天井高さ:2,400 mm(リビングダイニング他)
設計: 川島範久