Minimum House in Toyota


PhotoⒸJumpei Suzuki


PhotoⒸJumpei Suzuki


PhotoⒸJumpei Suzuki


PhotoⒸJumpei Suzuki

 

豊田の立体最小限住宅

 

都市住宅の新たなプロトタイプ

愛知県豊田市に建つ、若い夫婦と子供ふたりのための住宅。東西に細長い敷地で、接道する西側道路の交通量が多く、南北両隣には建物が近接して建つものの、2階レベルの南東方向には広い空を望む、といった周辺環境に呼応する計画とした。具体的には、間口2間×奥行7間半の15坪×2階=計30坪、高さ約6mのコンパクトな箱を置き、高さ方向を3層に分割した構造フレームとし、2層分(約4m)のダイニングキッチンとリビングが2mのレベル差で緩やかに連なる立体的な構成とした。そして、リビングの南東方向に大きな窓を設けて都市の空隙と繋ぎ、ダイニングキッチンの道路側に付属する屋根付きテラスの正面をメッシュ、側面を半透明壁とすることで、街との距離感を適度に取りながら、変化する光や風を存分に取り込めるようにした。しかし、年間を通した快適性と省エネ性の確保には外皮と設備の工夫も必要となる。そこで、限られた予算の中、徹底的に少ない部材と低価格な機器の組み合わせで高い性能を確保する工夫を重ねた。外張り断熱により内装材を省き、木の構造や下地、配管、配線を現しにしたことで、内観は温かみのある木質空間となり、住まい手は建物の仕組みを理解でき、自身で直したり手を加えていくことが可能となった。内(家族)と外(都市)に開かれ、光や風、自然素材に溢れたデライトフルな住宅を、最小限の物質により実現する、地球環境危機の時代における都市住宅の新たなプロトタイプの提案である。

 

Film by Takehiro Kawamura

 

PUBLICATION:
新建築住宅特集2022年5月号

 

基本データ  ─────────────────────────────────────────

建物名称/豊田の立体最小限住宅
所在地/愛知県豊田市
主要用途/専用住宅
家族構成/夫婦+子供2人

設計  ────────────────────────────────────────────
設計者事務所名 川島範久建築設計事務所
担当/川島範久 國友拓郎
構造 soso 担当/大川誠治
設備アドバイス 東京理科大学 担当/高瀬幸造
照明アドバイス CHIPS 担当/永島和弘
カーテン 担当/堤有希

施工   ────────────────────────────────────────────
トコロ 担当 /橋本智広 斎藤豊久
木工事 辻建築 担当/辻政直
木材・プレカット 中村木材(株) 担当/佐藤大志
塗装工事 imoimo  担当/畑中智裕
電気空調設備 ヒラブ・エレクトロ・エアーテック 担当/服部義幸
土中環境改善 資材提供 川瀬清賀 宇佐見厚志

構造・構法   ─────────────────────────────────────────
主体構造・構法 木造在来軸組工法(耐震等級3)
基礎 べた基礎

規模   ────────────────────────────────────────────
階数 地上2階
軒高7,033mm 最高高さ7,266mm
敷地面積 138.00m2
建築面積 50.45m2(建蔽率36.56% 許容60%)
延床面積 88.30m2(容積率63.98% 許容200%)
1階 42.03m2
2階 46.27m2

工程   ────────────────────────────────────────────
設計期間 2020年8月〜2021年4月
工事期間 2021年7月〜2022年3月

敷地条件   ──────────────────────────────────────────
地域地区 第一種中高層住居専用地域
防火指定 法22条区域
道路幅員 西7.05mm
駐車台数 2台

設備システム   ────────────────────────────────────────
空調  冷暖房方式/床下エアコン
換気方式/第三種換気
給排水 給水方式/公共上水道直結方式
排水方式/公共下水道直結方式
給湯  給湯方式/潜熱回収型ガス給湯器

外皮性能・エネルギー   ────────────────────────────────────
壁/フェノールフォーム 60t 外張り
屋根/フェノールフォーム 100t 外張り
外皮平均熱貫流率(UA値) 0.49 W/㎡K(ZEH+基準以上)
冷房期平均日射熱取得率(ηAC値) 2.2
相当隙間面積(C値)実測値 0.31 ㎠/㎡
設計1次エネルギー消費量 59.0 GJ/年(BEI 0.66)
※省エネ基準地域区分 6地域