PhotoⒸJumpei Suzuki
神奈川県川崎市麻生区岡上地域は都心部からアクセスの良い郊外都市であるものの、大部分が市街化調整区域と農業振興地域に指定され、市街化区域内も生産緑地が多く、豊かな自然と農村的風景が残る地域である。一方、市街化区域内の斜面地や低地においては気候風土を無視した宅地化、市街化調整区域においても資材置き場や墓地霊園などの建設により、生態系が乱され、景観が損なわれつつある。そして、少子高齢化により空き家・空き地が増え、農地や森林の管理の担い手不足の問題も深刻化しつつある。この岡上を新たな「農とともにある暮らし」のできる地域とする将来構想と、その一環として東エリアにワイナリーを核としたアグリビレッジとする計画を進めている。
自然の光や風、土や木などの自然素材、あるいは既にある地域内資源を積極的に活かし、可能な限り少ない材料と少ないエネルギーで、建造環境とそこでの暮らしを再構築していくこと。そして、その基盤となる大地を傷めることなく再生していけるような地業・基礎・外構とし、多様な生物と共存できる環境としていくことが望ましいのは言うまでもないだろう。そのような環境に育てていくには、地域内資源を循環させるネットワーク、および地域内外の人との新たなメンバーシップを構築していくことが求められる。それには、従来の建築の枠組みを越え、地球生命・農・林・社会・経済・政治までの拡張、あるいは協働が必要となる。そのような中、建築家にできること/すべきことは何かを摸索している。
photo ©三島由樹
photo©明治大学川島範久研究室
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